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水無川ビフォーアフター

今日の練習場所は本町公民館。秦野駅から、町の中心街を歩いて15分ほどです。

駅の北口を出ると、まず目に入るのは広々とした河川敷に挟まれた、その名も「水無川」。川というのに「水無し」とはこれいかに…?と、本町で練習があるたびに(月に1回くらい)川を眺めておりました。


写真は今日の様子。ちょうど1週間前に、台風20号の影響で雨がだいぶ降りました。水量はそこそこあって、一見すると普通の川みたいです。

一方こちらは約1か月前、7月中旬の写真。何日も雨が降らず気温はうなぎのぼり、猛暑のニュースが連日トップで報道されていた頃です。これぞ水無川!? 川の流れはなく、わずかに水溜りがあるだけ…

梅雨や秋雨の頃には、水量が増えて「水あり」の水無川も見られました。
地元の人が水無川を「大川」と呼ぶのを聞いたことがあります。石ころだらけの河原の下には、ちゃんと水が流れていて、下流で再び姿を現します。


秦野に伝わる民話によると、昔は水の流れる大きな川でしたが、弘法大師が渡し舟の性悪な船頭を懲らしめるために、仏様に祈って水を隠してしまったとか。

(※参考 岩田達治「秦野の民話」 夢工房、1991年)

これから9月、台風のシーズンです。雨が降り過ぎては困りますが、水無川は雨と共に様々な表情を見せてくれそうです。

 

水無川を離れて公民館に向かう道では、初物の栗や落花生を売っていました。秋はすぐそこですね。


いま練習で音取りをしている「わたしを束ねないで」(詩:新川和江/曲:木下牧子)にも、秋の金色の稲穂の風景が出てきます。リズムや音程が難しいのですが、三声合わせるとすてきなハーモニーとなり、一節ごとに新しい風景が広がり、本のページを繰るように、先へ進むのが楽しみになってくる歌です。