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「じゃあね」の不思議

ホームページでお知らせしたように、第6回演奏会の中止が決まりました。
練習していた数々の曲も、ひとまずお預けになります。


演奏会では毎回ちがう曲を歌いますが、ひとつ、繰り返し歌ってきた曲があります。
谷川俊太郎の詩 (曲:大熊崇子) による「じゃあね」という曲です。

歌は1番と2番のシンプルな構成で、3分間ほどの短い曲です。それでも過去の演奏会のアンケートでは「この曲が良かった」とわざわざ書いてくださる方が少なからずあって、皆さんの心にも不思議と残るようなのです。
どんな歌でしょう?

 

1番の詩はこうです。

思い出しておくれ
あの日のこと
楽しかったあの日のこと
けれどそれももう過ぎ去って
じゃあね

ひとりぼっちはこわいけど
きみにはきみの明日がある
どこか見知らぬ宇宙のかなたで
また会うこともあるかもしれない
じゃあね
もうふり返らなくていいんだよ
さよならよりもさりげなく
じゃあね じゃあね・・・・・・

 

(Young song:クラス合唱用 渡瀬昌治編 教育芸術社 1991年)

3拍子の軽快なリズムと明るいメロディの歌です。

♪ ♪ ♪

始めの「じゃあね」は、よくある日常の何気ないお別れのようです。


でもそれから、きみとぼくはひとりぼっちで別々の明日を生きて、また会う時は「宇宙のかなた」かもしれない…

 

そして次の「じゃあね/もうふり返らなくていいんだよ」の言葉が、心にじわっと浸み込んできます。

 

誰もが経験する出会いと孤独、重ねていく日々、それらを包む時の流れが、ふと見える気がする… 楽しく弾む音なのに深みがある、不思議な魅力いっぱいの歌なのです。(2番も良いです!)

昨年の秋、演奏会をやると決まった時には「また『じゃあね』が歌えるかな!」と、うれしくなったほど、MIMIが親しんでいる歌です。
残念ながら先送りになってしまったけど… 詩の言葉は「また会うこともあるかもしれない」と、語りかけてくれます。


ふり返らないで、皆様とまた演奏会でお会いできる日まで。
「じゃあね」!